最近、大人や子どもさんの理解と支援の処遇方針を考えるために、知能検査に併せてMSPAという検査の実施をご希望される方が増えております。
この検査は、リンク図 MSPA結果表示例 のようにチャート(折れ線グラフ:京都国際社会福祉センター)で示し、どの特性が強いかが視覚的に把握できるのが特徴的です。さらに特記事項に個別の解説と求められる配慮などについて記されます。結果によっては、クライエントさんの希望に基づき学校や職場に示し、説明することになります。また、医療機関に提出し、一層精緻な診断へと繋がることも少なからず生じています。
何よりまず、本人や家族が自覚していたものとは違う自己発見に至ることがメリットとして大きいと考えます。これによって「自分の工夫」や「周囲の理解」が開かれるからです。
このチャート例の左側には、どこで実施し、誰に渡し、複写したものに「→」を付けて学校や医療機関に渡せるようになっています。こうすることで、結果がどこで作成され、どのようなルートで提供されたかが追跡でき、責任性が担保されるようになっています。
MSPAを施行できるのは、MSPA有資格者に限られ、当センターには2名が該当します。2名がそれぞれ別々に評定し、その結果を照合することで評定決定値の精度を高めるよう工夫しています。
なお、「特性」とは、生来的に有している個性を意味し、現在のストレス等によって生じている特徴を意味するものとは考えられておりません。
下に、MSPA実施の手順を示します。
1.前もって、事前アンケートにご記入いただきます。ご本人、ご本人をよく知る人(友人、職場上司、学級担任)などと、本人の子ども時代の様子を知る親御さまの情報が有用です。母子手帳をお持ちの方にご協力いただく場合は「事前アンケートA」の用紙に、その他の方には「事前アンケートB」の用紙を使用します。本人だけの回答でも実施は可能ですが、複数人の情報があると評定がしやすくなります。
2.前項の事前アンケートの結果を踏まえて、半構造的なインタビュー面接を行います。有資格者である2名で行います。対象が中学校低学年以下のお子さんの場合は、保護者の方にアシストで加わっていただくこともあります。インタビューに要する時間は1時間から1時間30分です。
3.一週間以内に特性チャートを完成し、お手元に届くようにします。
各問合せに対して事前アンケートなど手順の説明をしてきましたが、あらかじめ承知していただきたく、ホームページに掲載いたしました。
MSPAにかかる費用は1万円です。他に、知能検査と併せて実施される場合(Gコース)がほとんどで、他の「発達・心理検査パッケージ」(リンク先のホームページご参照ください)にMSPAを加える方も多く、B+F(MSPA)コースあるいはC+F(MSPA)コースでさらに深いアセスメントが可能となっています。どの検査でバッテリーを組むかは、その方の抱える困難を基に当センターで適切なものを選びます。
ご関心のある方は、メール info@kokoro.gifu.jp までお問合せください。