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『「わが子」の気持ちが分からない!』

子どもの気持ちを知ることができたら、その気持ちを加工することなく、そのまま親自身の心の箱にしまっておくことができるでしょうか。

先回りするように手助けや助言、注意をしたくなるのは、子どものことを信頼できていないからです。

そんな親なりの愛情からくる行為であっても、それは、子どもにとってはストレスとなり、自己防衛のために気持ちを隠したり、頑なな態度をとるしかなくなったのでしょうね。

「子どもの気持ちが分からない」という不安は、子どもの自己解決能力への信頼欠如がもたらすものです。そしてそれは、親自身の自信のなさが子どもの上に映し出されたものでもあります。

つまり、信頼してもらえなかった子ども時代にルーツをもつのです。

根深いものは、あれこれ悩むより、やってみること。心にカラの入れ物を用意して、サングラスを外して穏やかに寄り添っていれば、子どものほうから気持ちを届けてくれる瞬間に出会うことでしょう。

『「わが子」の気持ちが分からない!』(P192より)

長谷川 博一/著


お知らせ

文春オンラインにて、センター長(長谷川博一)の記事が掲載されています。下記URLからご覧いただけます。

https://bunshun.jp/list/author/615275c377656146ae010000

現在5つの記事があり、無料で読んでいただけます。それぞれの記事にテーマがあり、解離性同一性障害、自殺、殺人願望などについて書かれています。

より多くの方にご一読いただければ幸いです。

「娘が自殺したのは、私のせいなんです」母親の突然の告白に、公認心理師が気づいた“家族関係の歪み”

なぜ優等生だった少年は、殺人願望を抱いたのか


心のケアについて

朝日新聞朝刊社会面にて、コメントが掲載されましたのでご紹介いたします。

生徒のケアはいつも叫ばれますが、今回は教師のケアについて強調しました。

トラウマとしないためには、「大丈夫だから」などと蓋をするより、潜在化する前に感情の吐露を進めること、止められなかったと自責する認識を修正すること、などが急がれます。

センター長(長谷川博一)のメッセージより引用


コロナと児童生徒の不登校・自殺増加の関連について

・コロナと児童生徒の不登校・自殺増加の関連について
子どもの自殺増加に対してコロナは間接要因ではあっても、直接要因ではないと思いますね。
コロナ禍の生活によって現代社会のいびつが露呈されただけでしょう。
大昔は今ほど精神疾患は多様でもなく多発もしていませんでした。
それは病にしろ自然災害にしろ偶発的事故にしろ「悲しいけど仕方がないことなので受け入れるしかない」という思想が一般的だったからです。
それを現代人は認めず無くそうとしてきました。
過剰コントロールのツケが回ってきている今です。
どんな困難に対しても一点を見過ぎず、時間軸を含めて大局的に捉え直すことをしないと、対処法を出せば出すほど、それ以上に「問題」は増え、いたちごっこになるでしょう。
極端な表現を用いれば「パラダイム・シフト」が求められているということです。
誰もそれに挑もうとはしないでしょうね。
(センター長からのメッセージより)

何かを止めたい、直したいと考えている人へ

何かを止めたい、直したいと考えている人がいるとします。

「絶対に止めなきゃ」と圧力がかかった状態では、かえって脳は願った通りに働いてくれないものです。

むしろできない自分を責めるホルモンが分泌されるかも。

失敗しながら行きつ戻りつ進む足取りを「これでいいんだ」と認めてあげてほしいです。

長谷川博一(センター長)からのメッセージより


「自分の出来が悪かったから」と感じている人へ

子ども時代に親から認められなかった原因を「自分の出来が悪かったから」と感じている人はいますか?

ほぼ確実に因果の方向は逆です。

親から認められなかったから、曖昧さを回避するために「自分の出来が悪い」と納得しようとしたんです。

だからあなたは今も過去も、どこも何も悪くないんですよね。

長谷川博一(センター長)からのメッセージより


一人だけでは闘わないで

自分がわからず、何の希望も見えず、ぐるぐると耐えている人は、誰かに「苦しい」と言いましょう。

生きているのがきつい、ラクになりたいと忍耐の人は、誰かに「死にたい」と言いましょう。

それを聴いた人の一部は、あなたの痛みを心の中に分ちもってくれるかもしれません。

一人だけでは闘わないで。

長谷川博一(センター長)からのメッセージより


回復と引き戻し

長く深い心の闇に苦しんできた人が回復の軌道へと足を踏み出すと、必ずと言ってよいほど強い引き戻しの力に全身をすくわれます。

それまでの「当たり前」を書き変えようとするのですから。

知っていれば、引き戻しに遭っても飲み込まれなくてすむかもしれませんね。

回復と引き戻しの様子をクリニックで話すと、「双極ですね」「お薬出しましょうか」と言われがちですよね。

一人の「人間」の生き直しを症状にとらわれすぎず、大局的に見てもらいたいなと思うのです。まあ、心理職は医師の指示に従うというのが法の定めですが……。

長谷川博一(センター長)からのメッセージより


いいんだよ

落ち込んでいいんだよ。失敗していいんだよ。

こころ休ませていいんだよ。

そんな自分を認めてあげていいんだよ。

長谷川博一(センター長)のメッセージより


『ダメな子なんていません』

無理にやらせようとすることの弊害は大きく、子どもはそのような親の一方的なはたらきかけをお手本として、自分の思いどおりに相手を強制するような人間関係を学びとってしまいます。

(中略)

親の前でがまんをしいられ、行き場を失った感情は潜伏し、思春期以降に爆発的な放出をする素地がつくられます。

『ダメな子なんていません』より(P87)

長谷川 博一/著